あなたは普段仕事でなぜなぜ分析を活用していますか?

仕事の効率化を図るためのフレームワークとして有名ということもあり、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、なぜなぜ分析を今回初めて知った方やなぜなぜ分析を使ったことあるけど上手く活用できなかった方に向けて、概要、失敗してしまうポイント、分析のコツ、事例を解説します。

なぜなぜ分析を上手く使えるようになれば、論理的に物事を考えられる力が身に付き問題解決ができるようになります。

この機会に論理的思考を身につけられるよう分かりやすく解説していきますので、一緒に勉強していきましょう。

なぜなぜ分析とは

仕事で起こったトラブルについて『なぜ?』『なぜ?』を繰り返して、トラブルの根本的な原因を明らかにするための考え方のことをなぜなぜ分析といいます。問題解決に使われるフレームワークの一つです。

このなぜなぜ分析は、大手自動車メーカーのトヨタ自動車が発案した考え方で、問題に対し5回『なぜ?』を繰り返して深掘りし、再発防止や今後の改善策を考える際に用いられます。

なぜなぜ分析が意味ないと言われる理由

なぜなぜ分析はすべての問題解決に対して使えるわけではないため、ポイントを意識して活用しないと”意味がない”と言われる原因になります。

なぜなぜ分析を活用したものの意味がないと感じた方は以下のポイントにあてはまる可能性があるため、ぜひ確認してみてください。

なぜなぜ分析を使用する上で大事なポイントが2つあります。

なぜなぜ分析が意味がなくなるポイント1:課題が明確化されていない

問題となっていることに対して、明確にどう改善したいかがあやふやでなぜなぜ分析を行っている場合、解決の糸口がみえず問題解決に至らないため、”意味がない”という結果になってしまいます。

具体的に何をして、何が問題だったのかをはっきりとさせることが重要です。

なぜなぜ分析が意味がなくなるポイント2:個人の問題として片付けてしまう

なぜなぜ分析は、もともと生産工場での問題に対して解決するために生まれた考え方です。

そこに人の感情や個人の問題を挟んでしまっては問題の解決に繋がらず、”意味がない”という結果になってしまいます。

問題が明確になっていない場合と人が原因の場合は、なぜなぜ分析は不向きとなります。

今後なぜなぜ分析を使用する前に一度この2点に該当していないか確認しましょう。

なぜなぜ分析のやり方

それでは、なぜなぜ分析のやり方を3ステップで解説します。

ポイントさえ抑えてしまえば簡単にコツを掴むことができるので一緒に進めていきましょう。

課題を明確にする

さきほど述べたように、なぜなぜ分析をする上で課題を明確化することがとても重要です。分析をする目的や目標を定めることでより明確にものごとが見えてきます。

抽象的な言葉は使わずに、具体的に何が課題で何を解決したいのかをはっきりさせることを意識しましょう。

「なぜ」「なぜ」を繰り返す

課題が明確になったら、なぜを繰り返して原因の根本を探りましょう。

まず問題の要因を漏れなくダブりなく書きだします。

そしてさらに深掘りしてその理由を書きだします。

これを5回繰り返すのですが、この5回というのはあくまで目安として考えてください。

5回以内に問題の原因にたどり着けた場合終わっても問題ありませんし、5回ではまだ深掘りしきれていない場合さらに掘り進めて原因にたどり着けるまで進めましょう。

対策・再発防止策を考える

原因が分かったら、次は対策を考えます。対策を考え、実行することで同じ問題が起こらないか、再発防止になっているかを考え解決策を立てましょう。

解決策を考える際にその解決策は、人の感情や個人の感想になっていないか、組織としてのグループに使うことができるかを意識して考えましょう。

なぜなぜ分析の事例

これを踏まえて、書籍の『トヨタ生産方式』でなぜなぜ分析の事例が紹介されているので取り上げてみます。

課題:機械が動かなくなったのか?

なぜ1回目:なぜ機械が動かなくなったのか?

理由:機械が動かなくなったのは、オーバーロードがかかってヒューズが切れたから。

なぜ2回目:なぜオーバーロードがかかったのか?

理由:オーバーロードがかかったのは、軸受部の潤滑が十分でないから。

なぜ3回目:なぜ十分に潤滑しないのか?

理由:十分に潤滑しないのは、潤滑ポンプが十分くみ上げていないから。

なぜ4回目:なぜ十分くみあげていないのか?

理由:十分にくみあげていないのは、ポンプの軸が摩擦してガタガタになっているから。

なぜ5回目:なぜ摩耗したのか?

理由:摩耗したのは、ストレーナー(濾過器)が付いていないので、切粉が入ったから。

このように、5回繰り返すことにより原因を深掘りし、原因の根本にたどり着きました。

この事例の場合、ストレーナー(濾過器)を取り付けることで対策することができます。

なぜなぜ分析は、仕事の問題解決をするためにフレームワークとして有効に使えます。

ただし、人の感情や個人の問題を挟んでしまっていないか、課題を明確にしているかが需要になってきますので、その2点を確認しやり方をマスターして論理的思考を身に着けていきましょう。