問題解決能力が重要視されるようになり、問題解決とは何かあらためて疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンでは問題解決が重視される時代になり、人材価値を高めるうえでも大切なポイントとなっています。
この記事では問題解決とは何を意味するのかを解説し、問題解決のアプローチや問題解決能力を高めるのに効果的な学習方法を紹介します。
問題解決能力を身につけてビジネスでもプライベートでも成果を出せる自分になりたい方はぜひご一読ください。
Contents
問題解決とは
問題解決とは、真の問題の特定と解決を通して「現状」と「理想」のギャップを埋めることです。
問題とは、主に「あるべき姿」と「今の姿」に乖離がある状況を指します。
この状況を改善するためには、何を問題に感じているのかを整理し、両者の間にギャップがある原因を考察し、解決策を立てる問題解決へのアプローチが必要です。
問題解決は、能力開発や人材教育の現場で多く活用されています。
そのため、問題解決能力をつけることで、ビジネスで活躍できる有能な人材に近付けるでしょう。
問題解決能力の必要性
続いて、問題解決能力の必要性について解説していきましょう。
問題解決能力とは、問題解決をするためにロジカルシンキングやフレームワークなどを活用し、スムーズに解決できる能力のことです。
問題解決能力があると、ビジネス・プライベートなどさまざまなシーンで柔軟な対応ができます。
予想外の事態にも対応してベストを尽くせるようになるため、公私ともに充実させられるのが問題解決能力を身につける必要性とメリットです。
また、問題解決能力は生まれながらに持っている先天的な能力ではなく、社会人になってからでもトレーニングによって身につけられる後天的な能力と考えられています。
問題解決能力の学習方法は記事後半で解説していますので、ぜひご覧ください。
問題の種類と特徴
問題は主に以下の3種類にわけられます。
それぞれ解説していきましょう。
種類 | 特徴 |
発生型 | 自然に発生してくるのが特徴の問題です。
問題が顕在化していて「あるべき姿」が明確で、解決すべき課題を見出しやすいという性質があります。 |
設定型 | 自ら目標を設定して取り組むことが特徴の問題です。
目標とする理想の姿と現状のギャップを埋めるための課題を導き出して解決に取り組みます。 |
潜在型 | 今すぐではなく将来的に問題を発生させるリスク要因です。
放置したままでは現状の悪化が懸念されますが、顕在化していないため見つけるのは容易ではありません。 |
上記を参考に問題の種類を理解し、それぞれの特徴を知っておくことで、適した解決方法を見つけやすくなるでしょう。
問題と課題の関係
問題解決と並んで、「課題解決」という言葉もビジネスの現場では多く用いられます。
課題とは、問題解決のための具体的に取り組む内容や起こすべき行動のことです。
いくつかの課題を設定し、課題解決を経て目標を達成するのが問題解決の基本的なアプローチだといえます。
たとえば、売上目標まで200万円足りないという問題を解決するために、広告を出稿するなどの具体的な施策を実行することが課題です。
それぞれの意味を混同すると、根本的な問題解決につながらないため注意しましょう。
問題解決アプローチの7ステップ
問題解決には基本になるアプローチがあります。
アプローチには、問題を提起し、解決策を考案し、実践して解決を達成するという流れが一般的です。
しかし、より効果の高い問題解決を目指すためには、さらに問題を細分化する必要があります。
ここでは、問題解決アプローチを以下の7ステップにわけて解説していきます。
- 現状から問題を発見する
- 真の問題を定義する
- 問題の原因を特定する
- 問題解決の目標を設定する
- 問題解決策を立案する
- 問題解決を実行する
- 取り組みの結果を評価する
上記の手順で細分化すると、具体性が高くなり問題解決の進め方がわかりやすくなるはずです。
成果につながる問題解決アプローチを、それぞれのステップごとに説明しますので参考にしてください。
現状から問題を発見する
まずは現状の情報を集めて問題を発見するのがスタート地点です。
情報を収集して現状を客観的に把握していきましょう。
そして、理想が何なのかを突き詰めて考え、現状とのギャップを洗い出すことで問題を発見していきます。
真の問題を定義する
問題が明確になったら、背景や周辺状況も加味して真の問題を定義します。
解決すべき問題を発見したあと、すぐにその問題の解決に取り組めば良いとは限りません。
なぜなら、真の問題は表面的に見えている問題とは違う部分にある場合も多いからです。
俯瞰的な視野で周辺状況を捉え、根本的な問題が何かを見つけていきましょう。
問題の原因を特定する
真の問題を再定義できたら、次のステップとして原因を特定していきましょう。
問題がなぜ発生しているのか、何が問題をもたらしているのかを考察します。
表面的な原因ではなく、根本的な原因を特定するのが重要なポイントです。
対症療法にしないためにも、問題を引き起こしている根本的な原因を探りましょう。
問題解決の目標を設定する
次に、問題解決に取り組むことで達成すべき目標を定めます。
発生型の問題の場合には明らかな場合が多いですが、設定型や潜在型では目標を自由に設定可能です。
この際、目標達成までを数値で表すKPIで定めると問題解決の評価がしやすくなります。
問題解決策を立案する
目標を具体化したら問題解決策を立案していきましょう。
原因を根本解決するための条件を定め、必要十分なアプローチを検討するのが問題解決の基本的な考え方です。
やるべきことを洗い出してリストアップし、合理的に実行できるかどうかを検討しながら具体化します。
問題解決を実行する
問題解決策ができたら実行に移していきます。
実行したあとは、策定した計画に基づいて問題解決に取り組み、目標や理想に向かっているかどうかを定期的にチェックするのが大切です。
タスクやコストを意識しながら、計画通りに実施できるようにマネジメントしていきましょう。
取り組みの結果を評価する
問題解決の取り組みをしたら、結果を評価していきましょう。
問題を100%解決できるとは限らないため、振り返って残されている問題や課題を明確化することが大切です。
評価によって、考案した解決策の良し悪しを理解できるだけでなく、新しい問題の発見につながる場合もあります。
継続的に問題解決の質を向上させるためにも、評価プロセスを盛り込むのは重要なポイントです。
問題解決能力を学習で高める方法
問題解決能力は学習を通して習得することも、高めることもできると考えられています。
問題解決能力を高める学習方法として、学校教育から社内研修でもよく用いられているのが問題解決型学習です。
以下では、問題解決型学習の概要と方法を解説していきます。
問題解決型学習を進める
問題解決型学習(Problem Based Learning)は、問題解決アプローチに実践的に取り組み、問題の発見から解決に至るプロセスを学習する方法です。
ビジネスシーンではモデルとなるケーススタディがよく用いられています。
課題として挙げられたシチュエーションに対して、問題を発見して解決策を考案するまでのプロセスを一通り実践するのが一般的な学習方法です。
問題解決は、実践経験がなくできない人もいますが、学習を通して基本的なアプローチを身につけると普段から活用できるようになります。
問題解決アプローチを実践する
問題解決アプローチを実践することで、主体的な取り組みを通して身につける方法です。
問題を発見する力を育むことで、発生型の問題だけでなく、潜在型の問題も見出して解決できるようになります。
問題解決アプローチを学習する際には状況を多角的に見て、真の問題が何かを見つける意識が大切です。
また、問題解決型学習は効果を上げるためにグループ学習として実施するのがポイントだといえるでしょう。
解決の具体策を考えてまとめるプロセスは個々に取り組み、グループ討論を通して各々が考えた解決策の良し悪しを議論します。
この方法はディスカッションを通して問題発見の仕方や解決方法の考え方を他の人から学べるのが特徴です。
主体的に問題解決のアプローチを体得するだけでなく、異なる角度からのアプローチも身につけられるでしょう。